都市防災不燃化協会の設立4周年記念シンポジューム「火災から命を護る木造の建築~パートⅡ~」に行って来ました(2017年5月2日)
都市防災不燃化協会の設立4周年記念シンポジューム「火災から命を護る木造の建築~パートⅡ~」に行って来ました(2017年5月2日)
弊社が会員の都市防災不燃化協会の設立4周年記念シンポジュームに行って来ました。
昨年と同じタイトル「火災から命を護る木造の建築~パートⅡ~」で募集が50名に対して70名を超える来場者が有り、立ち見席が出る程の盛況でした。
最初に都市防災不燃化協会の岩井國臣会長が挨拶され、続いて来賓の国土交通省住宅生産課の真鍋純課長から祝辞が述べられた。
基調講演
基調講演は東京大学名誉教授で防災の第一人者、菅原進一先生が「木造都市の防災対策」で45分間の枠を超えて、熱く語られました。
基調講演に続いて慶應大学大学院教授の小林博人先生と銘建工業㈱代表取締役社長の中島浩一郎さんとの対談「木造高層建築の可能性」に付いて語って頂きました。
中島社長は日本CLT協会の会長も務められており、木造の高層ビルが世界中で計画される中、日本でも近い将来に実現可能との見通しを語られました。小林教授はご自身が米国の設計事務所「スキッドモア・オーウングズ・アンド・メリル」(SOM)の日本代表も務められており、SOMが超高層ビルを木造で設計した場合のシュミレーション等の紹介も行われ、木造建築の波は世界的に広がりを見せている事が報告された。
第二部はパネルディスカッションでMCを都市防災不燃化協会の平田浩一理事が務められ、第一部に出演された、菅原教授、小林教授、中島社長、の3人に加えて日本インテリアプランナー協会会長の霜野隆さんとセイホクの谷川信江さんが加わり、各自の専門分野ではトップランナーの知見を余す処無く披露された。
先ず、最初に菅原教授から「火災を化学する」と題して科学的/化学的見地から一般消費者に安全・安心の意識の必要性が語られた。小林教授はセルフビルドのべニアハウスを開発して世界各地で好評を得て益々発展する見通しを発表。中嶋社長は地元で廃材を利用し、地域全員が関わって成功している真庭バイオマス発電㈱の事業紹介とCLT業界のお話し「CLTの歩みと将来性」をされた。霜野氏は不燃木材の施工に伴う注意点をデータを用いて鋭く解説。谷川氏は「不燃合板/LVLの現状と展望」に付いて語られましたが、そもそもJAS規程に不燃合板や不燃LVLは存在しないので使う側や出す側の問題意識で正確な表記が大切との事。今後は今の国土交通省の規定であったり家具等に使う様に不燃性能を付加したLVLの開発が期待されるとの事。大変、専門性の高いパネルディスカッションであったが、各パネラーのお話の内容が濃くて、欲を言うと時間が足りな過ぎた感はあった。
もっと沢山の事を聞いてみたかったがアッと言う間の3時間が過ぎ、今回の続きに関しては次回のパートⅢに期待して帰路に付いた。 (ロミー)