お客様から多く寄せられるご質問~「不燃木材の規定」や「使用する薬剤」、「白華せずに不燃性能薬剤を確保する技術」について、試験結果や資料などを交えてお答えいたします。

Q.1 不燃木材とは?

薬剤で処理し、建築基準法 第2条第9号「不燃材料」の規定に適合した木材です。
不燃材料の規定性能は、一定時間の燃焼で裏面が変形せず、有害なガスを発生しない等の条件があります。また、性能確認はコーンカロリーメーター機を使用し、最大厚さ5cmまで確認することが可能です。

Q.2 不燃木材に使用する薬剤は?

不燃木材に使用されている主な薬剤は、主にリン酸系とホウ酸系を混合したもの、また、そのどちらか一方の薬剤が多く使用されています。しかし、薬剤にはそれぞれのメリット・デメリットがあり、それは不燃木材の性能に直結しています。

【リン酸系薬剤のメリット】    液状の薬剤のため、溶けやすく製造しやすい

【リン酸系薬剤のデメリット】 液だれ

リン酸系の薬剤は、含浸後に液だれを起こし、約20日間で薬剤が70g/㎤ も減ります。さらに、1か月経過すると不燃性能が維持できなくなります。薬剤が液体であるため、これは避けられない現象です。
溶脱性能確認試験 JIS A9011:2020難燃薬剤処理木材の品質管理基準等の検討、事業報告書より

【ホウ酸系薬剤のメリット】  防腐、防虫、防カビ効果がありながら、安全性が高い
参考:NPO法人ホウ素系木材保存剤普及協会「素晴らしいホウ酸塩」

【ホウ酸系薬剤のデメリット】 白華

ホウ酸系の薬剤は固形のため、水に溶けにくく、含浸しにくいです。また、不燃木材の表面に薬剤が結晶化して白い粉が付着した状態になりやすく、拭き取れば消えますが、一時的にでも見栄えが悪く、外部など多湿度状況では白華を繰り返し不燃性能が低下してしまうリスクがあります。


【当社の薬剤】
様々な薬剤を研究開発し、最終的にホウ酸系薬剤を選択。主剤の95%をホウ酸塩でデメリットを解消しました。白華現象を抑え不燃性能を確保し、防腐、防虫、防カビ効果と延焼せず煙と有害ガスを抑えることに初めて成功しました。白華現象の防止は、不燃木材の表面を独自処理後、着色塗装などを行い、さらにその上に独自に開発した専用塗装を自社で施します。また、ホウ酸は溶けにくい性質で通常20%程度の水溶液ですが、当社は独自研究開発・ノウハウを活用することにより、世界で初めてホウ酸塩を60%の高濃度水溶液にすることに成功しました。現在、素材ごとに最適な薬剤、かつ、製造ノウハウの活用で様々な不燃化商品の製造が可能になっています。
[特許3485914][特許6804381]


 

Q.3 薬剤の違いによる「液だれ」の違いは?

溶脱性能確認試験 (JIS A9011:2020 難燃薬剤処理木材の品質管理基準等の検討、事業報告書より)
公益財団法人日本住宅・木材技術センター「難燃薬剤処理木材の品質管理基準等の検討事業」(平成30年3月付け報告書)の 3.2 屋内環境を想定した難燃薬剤の溶脱性能確認方法に則り、試験を自社で実施

■結果
乾湿繰り返し操作による質量変化

無処理材:加湿後・乾燥後の質量ともほぼ同じであり、5回繰り返しでの質量変化は見られない。
リン酸アンモニウム材:乾湿繰り返しとともに乾燥後の質量が徐々に低下。この原因は、加湿のたびにDAPの潮解現象が起こることで、表面に発生した液滴が重力により下に垂れ落ち、液だれ現象が発生したため。
セルフネン材(薬剤主原料はホウ砂とホウ酸):繰り返し3回まで乾燥後の質量増加があり、その後、質量はほぼ一定。質量増加した要因は、当初、薬剤成分が無水結晶状態であったものが乾燥繰り返しにより、水和結晶に変化していったためと考えられる。

当社は、日本で初めて不燃木材を開発しました。開発当時から「延焼せず煙と有害ガスを抑える」ことに加え、不燃性能の維持確保を目標とし薬剤を選定しました。リン酸系など、さまざまな薬剤を実験・確認しましたが、最終的に煙と有害ガスの発生を抑える効果が高い「ホウ砂とホウ酸」を薬剤主原料に決め、開発を行ってきました。
まず、不燃性能確保の維持と地域ごとの木材に適合させるため、次に、さまざまな素材に適合させるため、独自開発による高濃度処理液や含浸技術、そして材内の薬剤量を確認するための機器を開発。
白華現象の材表面の薬剤は、不燃性能の薬剤確保の維持量を考慮の上除去し、材内の薬剤は専用塗装で留めています。ただし、内装材、かつ水がかからない場所が使用条件となります。この開発技術により、白華現象を抑え不燃性能を確保しています。

Q.4 ホウ酸系薬剤のデメリット「白華」は生じない?

当社ショールームでは、2003年に製造した不燃木材を展示しています。専用の塗装を施しているため、ホウ酸塩系の薬剤を使用しても白華現象が生じていません

仮に、専用塗装を施さず着色のみの塗装を施した場合、上部は直射日光が当たり乾燥することで温度と湿度の条件変化が少ないため、白華現象は発生しません。
しかし、下部は直射日光が当たらず日陰になり、温度と湿度の条件変化があるため、白華現象が生じます。
一方、着色塗装の上に、さらに専用塗装を施した当社の不燃木材の場合、直射日光の有無に関係なく、また、乾燥や温度、湿度の条件変化があっても、2003年製造品が白華現象は生じていません。

着色塗装の上に、さらに専用塗装を施した当社の不燃木材。2003年の製造以降、白華現象は生じていません

Q.5 不燃木材って本当に燃えないの?

不燃木材は、木材内の薬剤が建築基準法2条第9号「不燃材料」の規定に適合した薬剤量を確保していれば、法的に不燃木材とされています。しかし、実際には不燃木材内に薬剤のバラツキがあり、薬剤量減少により燃える、または燃えないという現象が生じます。
弊社は、白華現象や仕上工程による薬剤量の減少リスクを考慮し、薬剤量を確認できる管理機を開発。「全数確認」を行い建築基準法2条第9号の不燃材料の規定に適合した薬剤量を確保しています。
また、不燃木材(不燃化処理商品)に使用している薬剤の特性から「延焼せずに有害な煙ガスの発生を抑える」大きな特長があります。
具体的には、火種からの火災で木材が炭化(低温発火温度約100~150℃)することにともない、ガスに引火(約220~264℃)する間に浸透させたホウ砂が約110℃で溶解、ガラス化し木材を被覆し発火(約260~416℃)を抑制する事でCO2を大きく減少(不燃化処理木材で約80%)させます。さらに、木材の腐りやカビ・シロアリなどからもホウ酸で保護しています。
*参考資料=消防庁消防大学校消防研究センター。

Q.6 ホウ酸って安全なの?

ホウ酸とは、酸化ホウ素(無水ホウ酸)B2O3の水和した形の酸の総称で、食塩と同じくらいの毒性と言われています。身近な物では目薬や化粧水などにも使用されています。古くは、ゴキブリを駆除する“ホウ酸ダンゴ”で知られていますが、昆虫には腎臓がないため、ホウ酸を体外に排出できないことから退治に活用されています。一方、腎臓をもつ哺乳類は必要な量だけ消費し残りは体外に排出できるため、過剰に接種しなければ安全性の高い薬剤です。

*参考資料*
NPO法人ホウ素系木材保存剤普及協会「素晴らしいホウ酸塩」
BORAX 「ホウ酸塩 最高の静生物剤」

Q.7 不燃木材に材木の風合いはあるの?

当社の不燃木材は、不燃処理薬剤により未処理木材より重くなります。しかし、通常の木材と同様に自然な木目、風合い、香りが感じられ、自然界にしかつくれない不規則なリズムである木目のゆらぎ効果が期待できます。
また、不燃処理薬剤の主成分の特長から、防腐・防カビ・防蟻・マイナスイオン効果もあるため、まさに木の弱点を補完した画期的な建材です。

認定一覧

*セルフネン不燃木材 SUS▲NOH(スサノヲ)国土交通大臣「不燃材料」認定
樹種   |認定番号 |厚さ
スギ   |NM-0168 |厚24mm    (寸法:H3000mm以下×W110mm)
スギ   |NM-0692 |厚18-50mm  (寸法:H3000mm以下×W110mm)
スギ   |NM-3839 |厚15-24mm 両面ウレタン系樹脂塗装(寸法:H3000mm以下×W110mm)
スギ   |NM-3840 |厚15-24mm 片面ウレタン系樹脂塗装(寸法:H3000mm以下×W110mm)
スギ   |NM-3841 |厚15-24mm 塗装なし(寸法:H3000mm以下×W110mm)
スギ重版 |NM-4252 |厚30-50mm (1)両面ウレタン系樹脂塗装 (2)塗装なし(寸法:H3000mm以下×W110mm)
ヒノキ  |NM-0761 |厚18-50mm  (寸法:H3000mm以下×W110mm)
アカマツ |NM-0762 |厚18-50mm  (寸法:H3000mm以下×W110mm)

*セルフネン不燃木材 SUS▲NOH(スサノヲ)国土交通大臣「準不燃材料」認定
樹種   |認定番号 |厚さ
スギ   |QM-0775 |厚12-15mm 両面ウレタン系樹脂塗装(寸法:H3000mm以下×W110mm)
スギ   |QM-0776 |厚12-15mm 片面ウレタン系樹脂塗装(寸法:H3000mm以下×W110mm)
スギ   |QM-0777 |厚12-15mm 塗装なし(寸法:H3000mm以下×W110mm)

*鉄道車両機械技術協会「不燃性」認定(寸法:H3000mm以下×W110mm)

国土交通省の不燃材料規定による不燃木材の認定は、弊社が取得した「NM-0168」が国内で最初の認定番号です。弊社は、近年の新しい不燃材料評価規定による認定番号である「NM-3839」~「NM-3841」、「NM-4252」も業界初で継続して取得しています。

PAGE TOP
Translate »