「防災の日に改めて災害対策を考える」 防災・減災セミナー

「防災の日に改めて災害対策を考える」 防災・減災セミナー

開催日 :2017年9月1日(金)10:30~17:00
開催場所:大田区産業プラザPiO

京急蒲田駅から徒歩5分の場所に大田区産業プラザPiOが有り、当日は雨の心配も無い蒸し暑い曇りであったが会場は大勢の参加者で一杯でした。

<会場風景>

基調講演は「減災社会実現のため、見たくないものも正視し、転ばぬ先の杖を」と題して名古屋大学、減災連携研究センター長の福和伸夫教授が個人的な意見と言いながら大変ユニークな災害の歴史観をご披露頂いた。7,300年前の鬼界カルデラの噴火により西日本の縄文文化は消滅した為に遺跡は東日本に集中している、と言った事から始まり、関東大震災では東京の東部は西部に比べて死者の数が25倍にもなったので現在でも地盤の弱い所の建物は怖い、という事から「悲観的に想像して、楽観的に対応」する事の大切さも披露された。ぜひ参加者に見て貰いたい映画が3本紹介された。①Shin Gozilla(最初の2~30分はリーダーたちの混乱ぶりが3.11を思い出させる)。②太陽の蓋(短辺映画:福山元副官房長官が原作に加わり、情報伝達の課題を浮き彫りにした作品)。③ハドソン川の軌跡(科学の限界)。お時間の有る方はぜひご覧頂ければ幸いです。

(基調講演:福和伸夫教授)

続いて内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(統括担当)付企画官の高橋伸輔氏が「政府の大規模地震対策について」様々な数字をあげて30年以内に70%の確立で起こるとされる首都直下型地震と南海トラフ地震を解説。結論は現在の科学的見地から2~3日以内に発生するとの確立の高い予知は無理なので「早く逃げる事」が一番の対策との事。

NPO法人の立場から㈱危機管理教育研究所の国崎信江代表が「熊本地震から学ぶ避難生活・避難所運営対応」と題して現場での体験談をご披露頂いた。益城町役場は丁度耐震工事が終わったばかりだったが基礎がずれた為に使用できなくなり、避難場所不足が深刻だった。又、応急危険判定の順番が今から考えると逆で、被害が大きい方から行った為、軽微な損傷の住宅も住人の不安感が払しょく出来なく不安な為、多くの被災者が車での宿泊を余儀なくされた。また、トイレの問題はクローズアップされたので比較的スムーズに行ったがお風呂に関しては夜中2時頃まで長蛇の列ができていた事は今後の課題とされる。11月19日を「備蓄の日」と制定され10日分の食糧・水、等の備蓄が推奨される。

最後に(一社)防災教育普及協会の平田直会長が「首都圏の大地震災害に備える」と題して講演された。For R(for resilience)レジリエンスプロジェクト(データ活用評議会)の説明や1868年~2016年の148年間にマグニチュード7以上の地震が208回起きているので単純計算でも年に1~2回は発生している事になる。首都直下型地震が発生した場合の被害予測等が詳しく解説された。

以上。セミナーに参加して感じた事は「備えあれば憂いなし」と言った先人の言葉でした。

(ロミー)

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