木造耐火建築物について【社長コラム】

「耐火建築物」と聞くと、火災に耐える、つまり燃えない建築物だと思いませんか? けれど、それは違います。
建築基準法上の耐火建築物は、「主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)を耐火構造とした建築物(以下省略)」と定められています。

そして、耐火構造とは「通常の火災が終了するまでの間、建築物の主要構造部が倒壊及び延焼を防止するために必要な構造とする」と第107条で定められています。つまり、通常の火災が鎮火するまでの間、主要構造部が倒れたり、壊れたりしなければ良い、という法律であり、耐火建築物は火災で燃える事を前提とした法律なのです。

現状、世界的に脱炭素に向けて動いている中、日本も建築物の木造化・木質化を推進し、木造の高層ビルの建築ラッシュとの報道が続いています。

しかし、現在の建築基準法の木造耐火建築物は燃えても壊れなければ逃げられるだろうという前提ですが、本当に「通常の火災が終了するまでの間」に木造の建物や高層ビルから逃げられるでしょうか?

火災時には有害な煙とガスにより、数分で人の命は奪われてしまいます。さらにスプリンクラーなど設備は故障が避けられず、メンテナンスが必要、かつヒューマンエラーも起きます。
事実、海外で中高層建築が火災になり、国内でも木造準耐火建築物が全焼しています。

世界的な木造建築ブームでのなか、日本には木造建築で世界に誇れる文化があります。

私は、通常の火災が起こらない、燃えない建築物を「耐火建築物」と定めるように、木造耐火建築物を機に法改正すべきだと考えています。
皆さんはどのように考えますでしょうか。

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